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 【8月9日(日) 保坂隊長報告

 日(日)「10日 AM7:00 いよいよBCから帰途へ」
 
●8月9日、ポーター11名、馬14頭が集結し明日の出発準備完了
   >5日に電話でポーター45名を手配し、当初9日出発予定がやはり手配が1日遅れとなりました
   >いよいよ
BCより、ゴレ2泊〜ウルドカス泊〜パイユ泊〜ジョラ泊〜アスコーレ(ジープにて)スカルド泊
    帰路のキャラバンです(
スカルドには15日到着予定
   >
BC周辺で清掃活動を行いました(他隊ポーターが廃棄した食料が多く、雪中のビバークのマット代わりの装備あり)
   >
我隊でイスラマに降ろす装備(ロープ類と酸素、アイスハーケン、スノーバー)15個、食料等が5個、キッチン装備が8個、
    隊員の個装が12個で、現地スタッフの装備が5個という計算で
合計45個です
   >雪の中、
7日にC1より最後の装備を下ろし、待機の日々です(手配のローカルポーターを待つばかりです)
   >BCからは、国際隊、スペイン隊のDr夫婦、中国ウルムチ楊さん、韓国の両手指のない金さんとシェルパ3名、ドイツの
    ラルフ、ガリンダ夫妻、国際隊アメリカ、カナダ、スイス、アメリカスキー隊、エクアドルの夫婦にまたトライしようと挨拶して
    帰って行きました(
帰路はゴンドコロラ経由が半分のようです)
   >今期どこの隊も登頂できませんでしたが、
エベレストに9回登頂したアメリカ人は、悲壮感はなく笑って帰って行きました
   >カザフ隊は5度目とのことで、
BCの残りは我隊とカザフ隊のみです

  【気象情報について】
   ・今回の遠征にあたり、気象予報は猪熊さんに気象情報(3日予報と5日予報の2種類)をメールで送っていただきました
   ・
BCより天候、風向き、風力、雲量、気温、上部の状態等を小野寺副隊長、井筒隊員が毎日猪熊さんにメールし、両者の
    
連係プレーが的確な予報に繋がったと思っております
   ・
K2登頂作戦を立てるのに、予報契約は絶対に必要な事項であり、今回始めて利用させていただきました
   ・
ジェットストリームの到来を予測していただき、無事の下山を果たすことができました
   ・
5日を境にK2の天候はがらりと変わり、強風が吹き荒れ、秋の到来と今期の登山の終了を伝えているかのようでした
    (これは国際隊各国の欧州の気象予報と同じ情報であり、
BCに居る国際隊と一致協力体制が出来上がった瞬間でした)
   ・荷上げの遅れと、5日も当初良好との情報で
1日遅れのアタック出発を余儀なくされたのは、悔やまれる事柄ですが全隊
    が
ボトルネックの上で阻止されるほどの深雪で、そのまま突っ込む事は自殺行為と判断できました
   ・
隊長判断を誤らず安全に幕引きが出来た事、有難く思っております

  【保坂隊長から一言】
   K2への2ヶ月半にわたる登攀は人生で最も充実した時間でした
   毎日のクライミングが必死で61歳の自分が世界で一番難しいK2に向かってトライしている感覚を楽しませていただきました
   1呼吸、1呼吸が未知の世界であり、岩と氷、雪の技術が青春を蘇らせてくれました
   C1まで来れた。C2まで来れた。C3近くまで来れた。7300m到達。
   後はアタック体制が出来た事を確認して、BCで指揮を執る事に躊躇なく専念できました
   自分にとってチョモ、K2、カンチェのワン、ツー、スリーは大きな夢であったが、3年に渡る計画の最後はやはり、安全登山で
   あり、隊長としての責務であります(BCを離れるにあたり悔いはありません 8月9日 記:保坂)

   ※登山隊は、いよいよ明日10日の朝にBCを後にします。全員元気です!!


                                                         
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